こんにちは。今日はWEBで日本消化器病学会関東支部の第40回教育講演会に参加しました。9時から16時までの長丁場でしたが、どの講演も興味深くとても勉強になりました。とくに興味を引いた3つの講演内容を以下に簡単にまとめます。●講演1 「ピロリ菌除菌後の胃癌リスク:基本から長期経過まで」・ピロリ菌感染は胃がんの主たる原因である。・ピロリ菌の主たる感染経路は経口感染である。・十二指腸潰瘍患者さんではピロリ菌除菌後、酸分泌は低下する。・除菌により胃癌リスクはほぼ半減する。・胃癌内視鏡治療後の患者さんでは除菌による胃癌予防効果が認められている。・ピロリ菌除菌時の胃粘膜萎縮の程度は除菌後の胃癌リスクに密接に完成する。・ピロリ菌除菌時の背景胃粘膜萎縮が軽度であれば、胃癌のリスクは低いものの、長期に経過すれば未分化癌のリスクが高まる可能性もあり内視鏡フォローが必要である。・ピロリ菌除菌後の再感染にも注意を要する。・ピロリ菌除菌後の経過により胃がんリスクは変化する可能性がある。当院にはピロリ菌除菌前の患者さん、除菌中の患者さんだけでなく、除菌後の患者さんも多く通院されております。本日学んだ内容を、診察中に患者さんにわかりやすく伝えるよう心がけると共に、ピロリ菌除菌後の定期的な内視鏡検査フォローアップの必要性をしっかり啓蒙して参ります。ピロリ菌に関してはhttps://www.adachi-ichou.com/consultation/16.htmlもご参照ください。●講演2 「IBD診療と研究の最前線」(IBDとは Inflammatory Bowel Disease : 炎症性腸疾患のことです。クローン病や潰瘍性大腸炎などがあります。)・潰瘍性大腸炎の臨床指標であるMayoスコアには排便回数、血便の頻度、内視鏡粘膜所見、医師による全般的評価の4項目がある。・潰瘍性大腸炎は大腸、クローン病は小腸と大腸に病変を認める。・軽症者が特定医療費受給者証の認定から外れたため、受給者数は一時期減少したが、患者数全体としては減少していない。・潰瘍性大腸炎、クローン病ともにステロイドは寛解導入療法に用いられる。・5ASA腸溶剤は遠位大腸に薬剤が到達するように作られており、潰瘍性大腸炎に有効である。クローン病に対しては保険適応外である。・5ASAなど服薬アドヒアランスが悪い患者さんでは寛解維持率が低くなる。処方された薬剤の内服を守ることが重要である。当院では5ASA製剤であるペンタサなどの内服薬、坐剤を使用し、軽症から中等症の潰瘍性大腸炎患者さんの治療を行っております。重症の潰瘍性大腸炎患者さんやクローン病患者さんの治療は行っておらず、診断した場合には責任もって大きな対応できる病院をご紹介させて頂いています。きちんと指示通りに服薬して頂くことが非常に重要であるため、そのあたりを診療中にしっかりとお伝えできるよう心がけて参ります。潰瘍性大腸炎に関してはhttps://www.adachi-ichou.com/consultation/25.htmlクローン病に関してはhttps://www.adachi-ichou.com/consultation/24.htmlもご参照ください。●講演3「実臨床における上腹部症状の治療提案〜診療ガイドラインに基づいた治療戦略〜」・機能性ディスペプシアは機能性消化管障害のうち上腹部症状(ディスペプシア症状)があり、器質的疾患が除外された疾患である。・若年者に多く、性差はないかあっても女性に多い。・プラセボ効果は約30%にある。・薬剤併用療法に関するエビデンスは依然としてない。・機能性ディスペプシアの一次治療薬として酸分泌抑制薬、アコチアミド、六君子湯がある。・機能性ディスペプシアの治療目標は満足できる症状改善を得ることであり、組織学的胃炎や内視鏡所見を改善することではない。当院には様々なお腹の症状で患者様が来院されます。そのなかでも機能性ディスペプシアは多い病気の一つです。他院で長いあいだ治療されているにもかかわらずなかなか良くならないとのことで来院される患者さんも珍しくありません。機能性ディスペプシアの治療目標は満足できる症状改善を得ることであり、時間がかかっても目標を達成できるよう、患者さんに向き合いながらともに症状改善を目指して参ります。機能性ディスペプシアに関してはhttps://www.adachi-ichou.com/consultation/19.htmlもご参照ください。今回の教育講演を通して得た最新の知見、知識を今後の診療に役立てて参ります。 ==============================院長 飯田 修史足立外科胃腸内科医院【外科・胃腸内科・内科】【五反野、青井のクリニック】東京都足立区青井2−24−803−3880−1191かかりたい、かかってよかったといわれるクリニックを目指します。https://www.adachi-ichou.com/https://www.youtube.com/watch?v=WPFDp2tsugo==============================
今日はWEBで日本消化器病学会関東支部の第40回教育講演会に参加しました。
9時から16時までの長丁場でしたが、どの講演も興味深くとても勉強になりました。
とくに興味を引いた3つの講演内容を以下に簡単にまとめます。
・ピロリ菌感染は胃がんの主たる原因である。
・ピロリ菌の主たる感染経路は経口感染である。
・十二指腸潰瘍患者さんではピロリ菌除菌後、酸分泌は低下する。
・除菌により胃癌リスクはほぼ半減する。
・胃癌内視鏡治療後の患者さんでは除菌による胃癌予防効果が認められている。
・ピロリ菌除菌時の胃粘膜萎縮の程度は除菌後の胃癌リスクに密接に完成する。
・ピロリ菌除菌時の背景胃粘膜萎縮が軽度であれば、胃癌のリスクは低いものの、長期に経過すれば未分化癌のリスクが高まる可能性もあり内視鏡フォローが必要である。
・ピロリ菌除菌後の再感染にも注意を要する。
・ピロリ菌除菌後の経過により胃がんリスクは変化する可能性がある。
当院にはピロリ菌除菌前の患者さん、除菌中の患者さんだけでなく、除菌後の患者さんも多く通院されております。
本日学んだ内容を、診察中に患者さんにわかりやすく伝えるよう心がけると共に、ピロリ菌除菌後の定期的な内視鏡検査フォローアップの必要性をしっかり啓蒙して参ります。
ピロリ菌に関しては
https://www.adachi-ichou.com/consultation/16.html
もご参照ください。
(IBDとは Inflammatory Bowel Disease : 炎症性腸疾患のことです。クローン病や潰瘍性大腸炎などがあります。)
・潰瘍性大腸炎の臨床指標であるMayoスコアには排便回数、血便の頻度、内視鏡粘膜所見、医師による全般的評価の4項目がある。
・潰瘍性大腸炎は大腸、クローン病は小腸と大腸に病変を認める。
・軽症者が特定医療費受給者証の認定から外れたため、受給者数は一時期減少したが、患者数全体としては減少していない。
・潰瘍性大腸炎、クローン病ともにステロイドは寛解導入療法に用いられる。
・5ASA腸溶剤は遠位大腸に薬剤が到達するように作られており、潰瘍性大腸炎に有効である。クローン病に対しては保険適応外である。
・5ASAなど服薬アドヒアランスが悪い患者さんでは寛解維持率が低くなる。処方された薬剤の内服を守ることが重要である。
当院では5ASA製剤であるペンタサなどの内服薬、坐剤を使用し、軽症から中等症の潰瘍性大腸炎患者さんの治療を行っております。重症の潰瘍性大腸炎患者さんやクローン病患者さんの治療は行っておらず、診断した場合には責任もって大きな対応できる病院をご紹介させて頂いています。
きちんと指示通りに服薬して頂くことが非常に重要であるため、そのあたりを診療中にしっかりとお伝えできるよう心がけて参ります。
潰瘍性大腸炎に関しては
https://www.adachi-ichou.com/consultation/25.html
クローン病に関しては
https://www.adachi-ichou.com/consultation/24.html
もご参照ください。
・若年者に多く、性差はないかあっても女性に多い。
・プラセボ効果は約30%にある。
・薬剤併用療法に関するエビデンスは依然としてない。
・機能性ディスペプシアの一次治療薬として酸分泌抑制薬、アコチアミド、六君子湯がある。
・機能性ディスペプシアの治療目標は満足できる症状改善を得ることであり、組織学的胃炎や内視鏡所見を改善することではない。
当院には様々なお腹の症状で患者様が来院されます。
そのなかでも機能性ディスペプシアは多い病気の一つです。
他院で長いあいだ治療されているにもかかわらずなかなか良くならないとのことで来院される患者さんも珍しくありません。
機能性ディスペプシアの治療目標は満足できる症状改善を得ることであり、時間がかかっても目標を達成できるよう、患者さんに向き合いながらともに症状改善を目指して参ります。
機能性ディスペプシアに関しては
https://www.adachi-ichou.com/consultation/19.html
もご参照ください。
院長 飯田 修史
足立外科胃腸内科医院
【外科・胃腸内科・内科】
【五反野、青井のクリニック】
東京都足立区青井2−24−8
03−3880−1191
かかりたい、かかってよかったといわれるクリニックを目指します。
https://www.adachi-ichou.com/
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