足立外科胃腸内科医院|外科、胃腸内科、内科

足立胃腸科外科

百日咳が増えています

 こんにちは。

今日は百日咳について。

8/13、国立感染症研究所は、今年の百日咳の累積報告数が1万110人に達したと発表しました。
東京都の累積報告数は885人となっています。

百日咳(pertussis, whooping cough)は百日咳菌(Bordetella pertussis)による、けいれん性の咳発作(痙咳発作)を特徴とする感染症です。

世界的に見られる疾患で、いずれの年齢でもかかりますが、小児が中心となります。
1歳以下の乳児、特に生後6カ月未満の乳児では重症化しやすく注意が必要です。

予防接種により、百日咳の発生数は激減していますが、近年、ワクチン接種を行っていない人や接種後年数が経過し、免疫が減衰した成人の発病が問題になっています。
このような免疫のない成人は百日咳菌の病原体保有生物となっており、免疫のない1歳未満の乳児への感染源となっています。

百日咳のポイント
●感染経路
感染患者の咳やくしゃみなどによる飛まつ感染。
伝染力が高く、濃厚な接触がある場合には80%以上が発症。

●症状
全経過は約2~3カ月で回復。
発熱はほとんど認めず。
潜伏期間は7-10日程度。
臨床経過は典型的には以下の3期に分けられる。

・カタル期(約2週間持続)
普通のかぜ症状で始まり、次第に咳の回数が増えて程度も激しくなる。

・痙咳期(約2~3週間持続)
短い咳が連続的に起こり、続いて、息を吸う時に笛の音のようなヒューという音が出る特徴ある発作性痙攣性の咳が繰り返される。

・回復期(2, 3週~)
激しい発作は次第におさまり、2~3週間で認められなくなるが、その後も時折忘れた頃に発作性の咳を認める。

●診断
細菌培養法、血清学的検査、遺伝子検査などにより百日咳の病原体を検出することにより診断する。

●治療
マクロライド系抗菌薬を使用。
通常、患者からの菌排出は咳の開始から約3週間持続するが、抗生剤による適切な治療により、服用開始から5日後には菌の分離はほぼ陰性となります。

●予防法
有効な予防法は予防接種。予防接種による免疫効果の持続は約5~10年程度。
最終接種後時間経過とともに既接種者も感染することがあり、軽症でも菌の排出はあるため、予防接種をしていない新生児・乳児がいる場合は、感染に対する注意が必要です。

咳エチケットを心がけましょう。
咳エチケット
• ティッシュなどで口と鼻をおおう
• せき・くしゃみが続くときはマスクをする
• とっさのくしゃみは袖などで口元をおさえる

●いつから登校可能か?
第2種の感染症に定められており、特有の咳が消失するまで又は5日間の適正な抗菌薬療法が終了するまで出席停止。

詳しくは下記をご参照ください。
https://www.adachi-ichou.com/consultation/278.html

当院ではLAMP法による遺伝子検査が可能です。

咳などの症状がある方、咳が長引いてなかなか良くならない方など、お気軽にご相談ください。

院長 飯田 修史
足立外科胃腸内科医院(外科・胃腸内科・内科・皮膚科)【五反野、青井のクリニック】 
お問合せはTEL: 03-3880-1191
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