足立外科胃腸内科医院|外科、胃腸内科、内科

足立胃腸科外科

アニサキスアレルギー!?

こんにちは

今回は「アニサキスアレルギー」、「食物アレルギー」について。

先日の「足立外科便り」でアニサキスについて書きました。
胃の粘膜にアニサキスが刺さり、激烈な痛みを引き起こすものを「アニサキス症」といいます。

先日、イカを食べた後に腹痛と蕁麻疹が出現したという患者さんが来院されました。
問診、身体所見などからアニサキス症を疑い緊急内視鏡を行ったところ、アニサキスが3匹いたため摘出しました。 
「アニサキス症」の治療は内視鏡でアニサキスの原虫を摘出することです。

蕁麻疹が出たということで、この患者さんはおそらくアニサキスをアレルゲン(アレルギーの原因となる物質)とした
アニサキスアレルギー(食物アレルギー)を起こしていたものと推測されます。

アレルギーとは抗原(アレルゲン)の再侵入による抗原抗体反応の結果として惹起される、生体にとって好ましくない病的反応のことをいいます。

皆さんはアレルギーをお持ちですか?
花粉症もアレルギーの一種です。 

ダニや花粉、真菌、ペット、昆虫、食物のほか、ラテックスなどの接触抗原、大気汚染(自動車の排気ガスや工場からの煤煙)など、
ありとあらゆるものが抗原(アレルゲン)となりえます。

アレルギーは
I型:即時型、アナフィラキシー型
II型:細胞障害型
III型:免疫複合体型
IV型:遅延型、細胞性免疫型
に分類され、食物アレルギーはI型になります。

体内に抗原(アレルゲン)が入ると抗原に対するIgE抗体が産生され、IgE抗体がマスト細胞(肥満細胞)または好塩基球と結合することにより感作が成立し、体内の免疫システムが抗原(アレルゲン)を敵として記憶します。
その敵が再び体内に侵入し、マスト細胞が抗原(アレルゲン)に暴露されると脱顆粒をきたし、
ヒスタミン、ロイコトリエン・プロスタグランジンなどの化学伝達物質が遊離します。
これらの遊離した化学伝達物質によって血管透過性亢進や平滑筋収縮などが生じ、体にとって好ましくない色々な症状が起こるのです。

具体的な症状としては食物摂取後15-30分で蕁麻疹、血管性浮腫、気管支喘息、腹痛、重篤な場合はアナフィラキシーショックを呈します。

自分が何にアレルギーがあるかは採血で特異的IgE抗体の測定を行うことによってある程度同定することができます。
食物アレルギーに対するアレルゲンの確定診断は、疑われる食物の分割摂取による症状の確認(食物負荷試験)によって行います。
そのほかI型アレルギーの検査としては
被検液を皮膚に垂らしてその部位を針で1回刺し、15分後に判定するプリックテストやスクラッチテスト、皮内テスト、
RIST法(radioimmunosorbent test)、RAST法(radioallergosorbent test)、ヒスタミン遊離試験(HRT)などがあります。

治療は原因食物の除去(必要最低限)を基本とします。
出現する症状に応じて抗ヒスタミン薬、β2刺激薬の投与や補液を行い、追加治療として副腎皮質ステロイド投与を考慮します。
アナフィラキシーショック時はアナフィラキシーの治療に準じます。

●アニサキスアレルギーについて
アニサキスアレルギーはアニサキスを抗原(アレルゲン)として生じるアレルギーのことです。

アニサキスアレルギーは生きた虫体によるアニサキス症に伴って起きる場合と、
虫体が死んだ状態の魚介類(凍結保存あるいは加熱調理)の摂取により食物アレルギーと同様の機序で起きる場合の2通りが考えられます。

つまり生きたアニサキスだけでなく、アニサキスの死骸でもアレルギー反応が出るということです。

アニサキスはオキアミに食べられ、このオキアミを海産魚やイカが食べます。
そしてそれを人間が食べるわけですから、ほとんどの魚料理を食べる際にアレルギー反応が出る可能性があるということです。

魚介類を食べたのちに蕁麻疹が出たことがある方は注意が必要です。

4月と5月は初ガツオが旬を迎えます。
魚を食べたあとに、激しい腹痛、嘔吐などを生じた場合にはアニサキスを疑い、医療機関を受診するようにしましょう。 

当院では当日の緊急内視鏡に対応いたします。まずはご連絡ください。

院長 飯田 修史
足立外科胃腸内科医院(外科・胃腸内科・内科・皮膚科)【五反野、青井のクリニック】 
お問合せはTEL: 03-3880-1191
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