足立外科胃腸内科医院|外科、胃腸内科、内科

足立胃腸科外科

ABC検診ってなに?

こんにちは。

今回のテーマは「ABC検診」です。

ABC検診は血液検査で胃がん発生のリスク(将来がんになりやすいかどうか)を分類し、評価する検診です。

はじめに一つ、大事なことがあります。
ABC検診は現在から将来の胃がんリスクが高いか低いかを評価する検診であり、胃がんを診断するものではありません。

つまりABC検診で胃がんが見つかるわけではないのです!!

あくまでも胃がんになるリスクが高いか低いかを評価するもので、胃がん発見のためには、胃内視鏡検査(胃カメラ)か胃X線検査(バリウム検査)の画像診断による二次精密検査が必要です。

胃がんの主な原因はピロリ菌の感染であり、ピロリ菌感染が長く続くことで慢性の萎縮性胃炎が生じ、胃がんにかかりやすくなります。

ABC検診では採血によりピロリ菌に対する抗体(血清抗体価)を測定しピロリ菌に感染しているかどうかを調べ、ペプシノーゲンを測定し胃の炎症や萎縮の度合いを判断し、ピロリ菌の血清抗体価とペプシノーゲン法の組み合わせから胃がん発生のリスクを分類し評価します。ABC検診の実施は、5年に1度が望ましいといわれています。

ピロリ菌に感染しているかを調べる方法は血液検査の他に、便中抗原検査、尿中抗体検査、尿素呼気試験、組織検鏡検査、迅速ウレアーゼ検査などがあります。どの検査も偽陰性の可能性があるため、2種類以上の検査を行い、ひとつでも陽性であればピロリ菌の感染があると考えます。

ペプシノゲン (PG) 検査は血液で胃粘膜の炎症と萎縮性胃炎の程度を判断する検査です。PGIとPGIIがあり、血清PGI値とI/II比の組み合わせで胃がんリスクの高い萎縮性胃炎を同定します。PG検査陽性者をハイリスク群として、胃がん検診に利用しています。PGI 70ng/mL以下かつI/II比 3.0以下をPG陽性患者とします。

●ABC検診結果の解釈について
ABC検診というだけあって、A群、B群、C群、D群に分類されます。
A群<B群<C群<D群と胃がん発生のリスクが高くなります。 

      HP(-)   HP(+)
PG(-)  A群    B群
PG(+)  D群    C群

(HP:ヘリコバクターピロリ抗体、PG:ペプシノゲン法)


A群では内視鏡検査はほとんどの場合不要です。(自覚症状がある場合は実施)
B群、C群、D群では内視鏡による2次精密検査を実施します。
内視鏡所見が胃炎のみの場合、B群、C群は除菌治療を実施し、D群は他のHP検査でHP陽性であれば除菌治療を実施します。

A群、B群、C群、D群以外にE群というものがあります。
ピロリ菌除菌後の方は、ピロリ菌未感染の方と比べ胃がんのリスクが明らかに異なります。また、除菌によってペプシノーゲンの値が変化してしまいABCリスク評価に当てはめることは不適当であるため、E群 (除菌群) として別扱いし定期的に内視鏡検査を受けることが推奨されます。

胃がんリスクの検査として、初めにABC検診を受けましょう!
胃がんリスクがある(B・C・D群)と判定されたかたは胃がんにかかりやすい状態にあるので、定期的に胃がん検診を受けましょう。血液検査だけで終わらずに、画像診断をしっかり受けることが重要です。

以下の場合には、正しい結果が得られない可能性があります。
・明らかな上部消化器症状のある方
・食道、胃、十二指腸疾患で治療中の方
・胃酸分泌抑制薬 (プロトンポンプ阻害薬) 服用中もしくは
 2ヶ月以内に服用していた方
・胃切除をされた方
・腎不全の方 (目安として、クレアチニン3mg/dL以上)
・ヘリコバクターピロリ菌の除菌治療を受けた方

当院ではABC検診を受けられます。また精密検査の胃内視鏡検査についても専門医の院長がしっかり検査いたします。お気軽にご相談ください。

院長 飯田 修史
足立外科胃腸内科医院(外科・胃腸内科・内科・皮膚科)【五反野、青井のクリニック】 
お問合せはTEL: 03-3880-1191
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