先日、「熱中症ガイドライン2024」について概略を解説しました。https://www.adachi-ichou.com/blog/570.html今回は要点のまとめとその解説となります。■要点・熱中症の重症度分類: 新たにIV度を導入し、最重症例を定義。・治療法: 積極的冷却(Active Cooling)を推奨。・冷却方法: 特定の冷却方法に対する明確な推奨はない。・目標体温: 38.0℃を目標体温とすることを弱く推奨。・冷却速度: 迅速な冷却を推奨。・搬送前の冷却: 有用であるが、明確な推奨はない。・解熱薬の使用: 使用しないことを弱く推奨。・初期輸液量: 適正な初期輸液量の目安は設定されていない。・病院前診療: 早期輸液と経口補水液(Oral Rehydration Solution、(ORS))の有効性については明確な推奨はない。・ORSの種類: いずれのORSが有用かは今後の研究課題。■要点解説2024年版の熱中症診療ガイドラインでは、熱中症の重症度分類に新たにIV度が導入され、最重症例を定義しました。治療法としては積極的冷却(Active Cooling)が推奨され、特定の冷却方法に対する明確な推奨はないものの、迅速な冷却が重要とされています。目標体温は38.0℃とすることが推奨され、冷却速度も迅速に行うことが推奨されます。搬送前の冷却は有用であると考えられますが、明確な推奨はありません。解熱薬の使用は推奨されず、適正な初期輸液量の目安も設定されていません。病院前診療では早期輸液と経口補水液(ORS)の有効性について明確な推奨はなく、いずれのORSが有用かについても今後の研究課題とされています。■項目別解説・熱中症の重症度分類2024年版ガイドラインでは、従来のIII度を細分化し、IV度を導入しました。IV度は深部体温が40.0℃以上で、意識レベルがGCS ≤ 8の場合を指します。この分類により、最重症例に対する迅速な治療が可能となります。・治療法積極的冷却(Active Cooling)は、点滴(水分補給)のみの治療に比べて有用とされています。重症熱中症患者には、早急に積極的冷却を含めた集学的治療が推奨されます。・冷却方法冷水浸水、蒸散冷却、胃洗浄、膀胱洗浄、血管内体温管理療法、体外式膜型人工肺、腎代替療法、ゲルパッド法、クーリングブランケット、局所冷却などがありますが、特定の方法に対する明確な推奨はありません。患者の状態や施設の状況に応じて、最適な方法を選択する必要があります。・目標体温従来の積極的冷却では、目標体温を38.0℃とすることが推奨されます。迅速に38.0℃まで冷却することで、死亡率や神経予後の改善が期待されます。・冷却速度冷却の目標速度を設定することが推奨されます。適切な冷却速度(>0.15℃/分)を維持することで、合併症の発生を抑えることができます。・搬送前の冷却搬送前の冷却は有用であると考えられていますが、明確な推奨はありません。病院前の段階での早期冷却が予後を改善する可能性があります。・解熱薬の使用熱中症の治療において、解熱薬の使用は推奨されません。解熱薬は臓器障害を悪化させる可能性があるため、使用しないことが推奨されます。・初期輸液量適正な初期輸液量の目安は設定されていません。脱水やショックを呈している患者には、意識レベルや血圧、心拍数をモニタリングしながら輸液を行うことが推奨されます。・病院前診療早期輸液とORSのいずれが有用かについては明確な推奨はありません。現場での輸液開始後に救急搬送することが推奨される報告もありますが、効果については明確ではありません。・ORSの種類いずれのORSが有用かについては、まだ十分な検討がなされていません。適切な電解質の補給が重要であり、今後の研究が期待されます。 参照:日本救急医学会ホームページhttps://www.jaam.jp/info/2024/info-20240624.html足立区で消化器内科、内視鏡検査、外科をお探しの方は、ぜひ「足立外科胃腸内科医院」へお越しください。#大腸カメラ #胃カメラ #内視鏡検査 #消化器内科 #足立区==============================院長 飯田 修史足立外科胃腸内科医院【外科・胃腸内科・内科】【五反野、青井のクリニック】東京都足立区青井2−24−803−3880−1191かかりたい、かかってよかったといわれるクリニックを目指します。https://www.adachi-ichou.com/https://www.youtube.com/watch?v=WPFDp2tsugo==============================
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今回は要点のまとめとその解説となります。
■要点
・熱中症の重症度分類: 新たにIV度を導入し、最重症例を定義。
・治療法: 積極的冷却(Active Cooling)を推奨。
・冷却方法: 特定の冷却方法に対する明確な推奨はない。
・目標体温: 38.0℃を目標体温とすることを弱く推奨。
・冷却速度: 迅速な冷却を推奨。
・搬送前の冷却: 有用であるが、明確な推奨はない。
・解熱薬の使用: 使用しないことを弱く推奨。
・初期輸液量: 適正な初期輸液量の目安は設定されていない。
・病院前診療: 早期輸液と経口補水液(Oral Rehydration Solution、(ORS))の有効性については明確な推奨はない。
・ORSの種類: いずれのORSが有用かは今後の研究課題。
■要点解説
2024年版の熱中症診療ガイドラインでは、熱中症の重症度分類に新たにIV度が導入され、最重症例を定義しました。治療法としては積極的冷却(Active Cooling)が推奨され、特定の冷却方法に対する明確な推奨はないものの、迅速な冷却が重要とされています。目標体温は38.0℃とすることが推奨され、冷却速度も迅速に行うことが推奨されます。搬送前の冷却は有用であると考えられますが、明確な推奨はありません。解熱薬の使用は推奨されず、適正な初期輸液量の目安も設定されていません。病院前診療では早期輸液と経口補水液(ORS)の有効性について明確な推奨はなく、いずれのORSが有用かについても今後の研究課題とされています。
■項目別解説
・熱中症の重症度分類
2024年版ガイドラインでは、従来のIII度を細分化し、IV度を導入しました。IV度は深部体温が40.0℃以上で、意識レベルがGCS ≤ 8の場合を指します。この分類により、最重症例に対する迅速な治療が可能となります。
・治療法
積極的冷却(Active Cooling)は、点滴(水分補給)のみの治療に比べて有用とされています。重症熱中症患者には、早急に積極的冷却を含めた集学的治療が推奨されます。
・冷却方法
冷水浸水、蒸散冷却、胃洗浄、膀胱洗浄、血管内体温管理療法、体外式膜型人工肺、腎代替療法、ゲルパッド法、クーリングブランケット、局所冷却などがありますが、特定の方法に対する明確な推奨はありません。患者の状態や施設の状況に応じて、最適な方法を選択する必要があります。
・目標体温
従来の積極的冷却では、目標体温を38.0℃とすることが推奨されます。迅速に38.0℃まで冷却することで、死亡率や神経予後の改善が期待されます。
・冷却速度
冷却の目標速度を設定することが推奨されます。適切な冷却速度(>0.15℃/分)を維持することで、合併症の発生を抑えることができます。
・搬送前の冷却
搬送前の冷却は有用であると考えられていますが、明確な推奨はありません。病院前の段階での早期冷却が予後を改善する可能性があります。
・解熱薬の使用
熱中症の治療において、解熱薬の使用は推奨されません。解熱薬は臓器障害を悪化させる可能性があるため、使用しないことが推奨されます。
・初期輸液量
適正な初期輸液量の目安は設定されていません。脱水やショックを呈している患者には、意識レベルや血圧、心拍数をモニタリングしながら輸液を行うことが推奨されます。
・病院前診療
早期輸液とORSのいずれが有用かについては明確な推奨はありません。現場での輸液開始後に救急搬送することが推奨される報告もありますが、効果については明確ではありません。
・ORSの種類
いずれのORSが有用かについては、まだ十分な検討がなされていません。適切な電解質の補給が重要であり、今後の研究が期待されます。
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院長 飯田 修史
足立外科胃腸内科医院
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