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アニサキス症

アニサキスとは

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アニサキスは寄生虫(線虫)の一種で、その幼虫(アニサキス幼虫)は長さ2~3cm、幅0.5~1mm、白色の少し太い糸のようなかたちをしています。

アニサキス症とは

アニサキス症はアニサキス幼虫が寄生した食物などを食べた後、胃や小腸などの粘膜に潜り込むことによって食中毒(アニサキス症)を引き起こします。

我が国では刺身や寿司など海産魚介類の生食を嗜好する食習慣があるため、諸外国に比して多くの症例が発生し年間に2,000〜3,000例と推計する報告もあります。

アニサキス幼虫は、サバ、アジ、サンマ、カツオ、イワシ、サケ、イカなどの魚介類に寄生します。アニサキス幼虫は、寄生している魚介類が死亡し、時間が経過すると内臓から筋肉に移動す
ることが知られています。

原因になりやすい食品は?

サバ、イカ、サンマ、サケ、アジ、イワシ、ヒラメ、カツオ等の海産魚介類の刺身や冷凍処理をしていないシメサバ等にアニサキスの幼虫が寄生していることがあります。

酢でしめたり、塩漬けしたり、醤油やわさびをつけてもアニサキス虫体は死滅せず、焼いたり、煮たり、フライにしても加熱不十分では虫体が生きていることがあり注意が必要です。

どんな症状があるの?治療は?

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・胃アニサキス症

アニサキスの幼虫を含んだ魚介類などを食べた後、2〜8時間で急激な上腹部痛、嘔気、嘔吐などの症状が出現します。

胃カメラで胃粘膜の表面に幼虫を認めることで診断します。虫体が入り込んだ場所は発赤、浮腫、びらんなどを伴うことが多く、胃粘膜表面の所見を指標に観察すれば容易に虫体を発見できます。

有効な駆虫薬はなく、胃内視鏡検査で生検用鉗子にてすべての虫体を摘出します。
また、じん麻疹様の発疹や下痢を伴うこともあります。

・腸アニサキス症

小腸の場合、アニサキスの幼虫を含んだ魚介類などを食べた後、数時間〜数日で腹痛、悪心、嘔吐などの症状が見られ、時に腸閉塞や腸穿孔を発症することがあります。
一般的には保存的治療で多くは治癒しますが、病態が重篤なものでは開腹手術が必要な場合もあるので注意が必要です。

・腸管外アニサキス症

虫体が腸管の壁を突き破り腸管の外(腹腔内)へ脱出し、慢性的に肉芽腫を形成します。
臨床的には慢性胃アニサキス症(緩和型)の多くがこの状態と考えられ、ほとんどが無症状に経過し検診や他疾患での開腹時に偶然発見されることがあります。

※多くが急性胃アニサキス症です。
※激しい腹痛があり、アニサキスによる食中毒が疑われる際は速やかに医療機関を受診してください。

予防のポイントは?

・魚を購入する際は、新鮮な魚を選びましょう。

予防のポイントは?
・アニサキス幼虫は、魚の鮮度が落ちると内臓から筋肉に移動することが知られています。魚が新鮮なうちにできるだけ早く内臓を除去し、十分に洗浄することで感染の確率を下げることができます。また、丸ごと1匹で購入した際は、速やかに内臓を取り除いてください。

・魚の内臓を生で食べることは避けてください。

・海産魚介類を生で食べる場合は、目でよく見てアニサキス幼虫がいないことを確認してください。

・十分な冷凍(-20℃で24時間以上)や加熱調理(中心温度60℃で1分以上)でアニサキス幼虫は死にます。保存方法、調理方法にご注意ください。

・シメサバ(自家製など冷凍処理されていないもの)によるアニサキス症が多く報告されています。シメサバを作る場合は、できるだけ早く内臓や内臓周りの筋肉を除去することで、アニサキスに感染する確率を下げることができます。ただし、もっとも有効な予防方法は冷凍処理を行うことです。

魚を食べたあとに、激しい腹痛、嘔吐などを生じた場合にはアニサキスを疑い、医療機関を受診するようにしましょう。
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