胃潰瘍・十二指腸潰瘍
胃潰瘍・十二指腸潰瘍ってどんな病気?
胃液により胃・十二指腸の粘膜に潰瘍を生じたものです。潰瘍とは粘膜が欠損した状態です。若い人には十二指腸潰瘍が多く、高齢者になるに従い胃潰瘍が多くなります。
どうしてなるの?
胃酸などの攻撃因子と胃粘膜の防御因子(胃粘液、血流など)のバランスが崩れ、攻撃因子が優位に傾くことにより生じます。
攻撃因子を増強させるものとして痛み止め(非ステロイド性抗炎症薬:NSAIDs、アスピリンなど)やステロイドなどの薬剤、ストレスなどがあります。
その他ピロリ菌(Helicobacter pylori)感染など様々な要因が絡み合って発症します。
(ピロリ菌に関しては別項で説明しております)
どういった症状があるの?
みぞおちあたりの痛み(心窩部痛)や出血により吐血をしたり、便が黒くなったり、貧血などを生じることがあります。胃潰瘍では食事をすると痛みが出現し、十二指腸潰瘍では食事をしたときに痛みが和らぎ、空腹時に痛みが出るのが特徴です。症状のないものも10%程度あり、高齢者の方は自覚症状がないことがあります。
どんな検査をすればいいの?
胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)やバリウムによる検査(上部消化管X線造影検査)で診断します。胃カメラで潰瘍は活動期、治癒期、瘢痕期のように分類されます。
どんな治療をするの?
出血がある場合には止血治療を行います。出血がない場合、ピロリ菌感染の有無で治療方法が分かれます。
- ピロリ菌(+):除菌治療が基本となります。(ピロリ菌の除菌に関しては別項で説明しています)
- ピロリ菌(-):PPI(プロトンポンプ阻害薬)を内服します。痛み止め(非ステロイド性抗炎症薬:NSAIDs)などの薬剤が原因の場合は薬剤の内服中止を検討します。